このページは、実際に寄せられた法律相談から、個々の事情を離れた法律問題だけを取り上げて紹介するページです。

※あくまで一般論ですので,個々のケースによっては結論が異なる場合もあります。
   個別にご相談ください。

Q3.

 訴訟を考えていますが,万が一を考えると躊躇してしまいます。
 裁判に負けた場合,裁判にかかったお金を負担させられると聞きましたが,どのくらいかかるのでしょうか。

A3.

 訴訟費用の負担のことですね。  判決の際,争いになった事柄(訴訟物といいます)についての判断に加え,「訴訟費用は○○の負担とする」という言い渡しがされます。         
 しかし,これは裁判にかかったお金全てではなく,「民事訴訟費用等に関する法律」に定められた費用のみを意味しますので,相手方の弁護士費用や裁判官の人件費などは含まれません。         
 訴状に貼る印紙代のほか,相手方への交通費,証人への日当などがここでいう「訴訟費用」ですが,よほど大きな訴訟にでもならない限り,それほど高額にはなりません。         
 また,勝訴した側が敗訴した側に訴訟費用を請求するには,裁判所書記官に訴訟費用額確定処分の申し立てを行う必要があり,実際には請求されないことがほとんどです。         
 ですから,訴えを提起して敗訴したからと言って,後から何十万も払わなければならないということはほぼあり得ません。         
 (念のため,訴訟提起の前に弁護士や裁判所にご相談下さい)

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Q2.

 夫が会社の帰りにケンカをして逮捕されてしまいました。
 少しでも早く帰れるよう保釈を申請したいのですが,どうすればいいですか。

A2.

 よくある誤解ですが,逮捕されてから起訴されるまでは保釈を申請することはできません(刑事訴訟法207条1項ただし書き)。
 ですから,起訴されるまでは保釈ではなく勾留取消(同法87条1項)を申請することになりますが,これが認められるケースはほとんどなく,非常に難しいです。
 ご相談のケースですと,ケンカの相手方に謝罪して治療費等をお支払いし,示談することで,検察官に釈放を促すことが一番良い方法だと思います。ただ,加害者本人やその家族ですと,被害者が感情的になってこじれるケースがありますので,できれば弁護人を選任して示談交渉を進めてもらったほうがいいでしょう。
 なお,起訴後は,被告人の妻の立場で保釈を請求することが出来ます。
 ※ 補足 ※
 起訴前勾留に関しては,勾留取消以外にも,勾留決定に対する準抗告(刑事訴訟法429条1項2号)によって争うことが出来ます。
 勾留取消よりもさらに認められるのは難しいと思っていたのですが,認められたケースがあったので補足しました。

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Q1.

 土地を共有で所有しています。
 共有者に身寄りがない状態で亡くなった場合,土地の共有者は誰になるのですか?

A1.

 被相続人に子や親などの相続人がいない場合,相続財産は国に帰属します(民法959条)。
 しかし,共有の場合は特別で,共有者に相続人がいない場合は他の共有者に帰属します(民法255条)。
 したがって,他に共有者がいない場合は,あなたの単独所有になります。
 理論上は分かりにくい説明がされていますがが,ようは国よりも共有者のほうが共有物になじみが深いので優先されるということなのでしょうね。